DXやAI、自動化の話をすると、「人がいらなくなるんですか?」と聞かれることがあります。確かに、今まで人がやっていた仕事をシステムやAIが代わりにできる場面は増えています。入力する。集計する。転記する。文章のたたき台を作る。問い合わせを整理する。こうした仕事は、これからさらに自動化されていくと思います。でも私は、中小企業のDXの目的を「人を減らすこと」に置かない方がいいと思っています。
人が本来使うべきところへ、時間を戻すこと。
中小企業では「人が余っている」わけではない
多くの中小企業では、「人が多すぎて困っている」というより、「人が足りない」という話の方をよく聞きます。営業をしながら見積書を作る。経理をしながら電話にも出る。管理職が現場の細かな確認までしている。社長自身が営業、採用、社員対応、経営判断まで抱えている。そんな会社も少なくありません。つまり必要なのは、人を減らすことではなく、今いる人が、本当にやるべき仕事に集中できる状態をつくることだと思うのです。
人がやらなくてもいい仕事は、意外と多い
例えば、同じ数字を何度も入力する。過去のメールを探す。毎月同じ形式の資料を作る。申込内容を別の表へ転記する。会議の議事録を一からまとめる。こうした仕事に、毎日少しずつ時間を使っています。1回10分。20分。30分。一つひとつは小さくても、年間ではかなりの時間になります。しかも、その仕事をしている間は、お客様と話せません。提案を考えられません。社員を育てられません。新しいことにも挑戦できません。
1時間戻ったら、何に使いますか?
ここで一度考えてみてください。もし社員一人あたり、毎週1時間、自由に使える時間が戻ってきたら。その1時間を何に使うでしょうか。お客様への提案を一つ増やす。取引先へ連絡する。新人の相談に乗る。新しいサービスを考える。仕事のやり方を改善する。あるいは、残業せずに帰る。これらはすべて、会社にとって価値があります。DXで生まれた時間を何に使うか。私は、そこまで考えることが大切だと思っています。
「効率化しました」で終わらせない
例えば、ある作業を自動化して、1時間かかっていた仕事が10分になった。これは成功です。でも、「50分削減できました」で終わってしまうと、少しもったいない。その50分を、何に使えるようになったのか。そこまで見たい。なぜなら、時間を削ること自体には、あまり意味がないからです。
その時間で、人にしかできない仕事を増やす。
そこまでできて初めて、DXが経営につながると思っています。
AIにも同じことが言える
生成AIも同じです。AIに文章を書いてもらう。AIに資料をまとめてもらう。AIに問い合わせを整理してもらう。便利です。でも、AIで10分短縮したことよりも、その10分で何をするかの方が大切です。お客様にもう一本電話する。一つ深く提案を考える。社員と話す。新しいアイデアを考える。AIは、人の価値をなくすためのものではなく、人にしかできない仕事へ集中するための道具として使った方が、中小企業には合っていると思います。
DXの成果を「削減時間」だけで見ない
業務改善では、「年間○○時間削減」という数字がよく使われます。もちろん重要な指標です。でもHIRAKUでは、その先も見たいと考えています。例えば、年間100時間削減できた。では、その100時間で何ができるようになったのか。お客様対応が増えた。残業が減った。社長が経営を考える時間が増えた。社員教育ができるようになった。そこまでつながれば、業務改善が会社の成長につながったと言えるのではないでしょうか。
人を減らすDXではなく、人を活かすDXへ
中小企業にとって、人は非常に大きな資産です。経験。知識。お客様との関係。判断力。アイデア。こうしたものは、簡単にシステムへ置き換えられるものではありません。だからこそ、人がやらなくてもいい仕事は、仕組みに任せる。そして、人にしかできない仕事へ時間を戻す。
人の時間を戻すこと。
HIRAKUは、そんな業務改善を目指しています。
HIRAKUからひとこと
システムやAIを入れることが目的ではありません。「この仕事を減らしたら、誰にどれだけ時間が戻るのか」。そして、「戻った時間で、何をしてほしいのか」。そこまで考えて初めて、DXは経営につながります。やめる・減らす・置き換える。そして、人の時間を取り戻す。それが、HIRAKUが考える業務改善です。

